健康な人が抗うつ剤を飲んだらどうなるの?危険だから飲んじゃダメ

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健康な人が抗うつ剤を飲んだらどうなるのか?という疑問をお持ちの方がたくさんいらっしゃるようです。

正確に言えば「うつ状態やうつ病ではない人が抗うつ剤を飲んだらどうなるのか?」ということだと思いますが、おそらくこのような疑問を持つ方には2通りのケースがあると考えられます。

1つ目は「健康な状態で抗うつ剤を飲むともっと元気になるんじゃないの?」と思っているケース、2つ目は「病院でうつ状態でないのに抗うつ剤を出されたけど飲んで大丈夫なのか?」と心配しているケースです。

まずはじめにお断りしておきますが、抗うつ剤は病院で診察を受けて、医師から処方されるお薬ですので、健康な人が飲んではいけないものです。

例えば、メンタルの病院に通院している知り合いから、少し分けてもらうなどして飲むようなことは絶対にやめましょう。

このページでは「病院でうつ状態でないのに抗うつ剤を出されたけど飲んで大丈夫なのか?」と心配している方のために、健康な人が抗うつ剤を飲んだらどうなるのか?という疑問にわかりやすくお答えしていきます。

健康な人が抗うつ剤を飲んだらどうなるか?

精神科の医師

結論から申し上げます。

「何も起きません」

健康な人、つまりうつ状態でない人が1回や2回抗うつ剤を飲んだところで何も起きません。

ではその理由をご説明していきます。

※ただし1度に大量に飲むと強い副作用で苦しむことになります。

脳内物質が多ければいい訳ではない

まず、基本的に抗うつ剤は脳の中のセロトニンやノルアドレナリンなどの物質を増やしたり、働きを活性化させて抑うつ気分を和らげて意欲を高めるのが目的のお薬です。

足りなくなっているものを補っているわけですが、これらの物質はたくさんあればあるほど元気になるという訳ではありません。

あくまでも適量が大切なので、健康な人が抗うつ剤でセロトニンやノルアドレナリンを増やせたとしても特に変化は起きないのです。

さらに抗うつ薬は効果が現れるまでに1週間から数週間かかるので即効性はありません。

抗うつ剤はそもそも効果が低い

2010年、米国ペンシルバニア大学の研究チームが、「うつ病の症状が軽いか中程度の場合、抗うつ薬には効果がみられない」と報告しました。

日本うつ病学会のガイドラインでは「軽症うつ病の場合、安易な薬物療法は避けるべき」としています。

また、抗うつ剤の近年の効果研究の結果をまとめて、NNT(Number Needed to Treat)という数値で表したものがありますが、5から8程度、論文によっては、8から10というデータが出ています。

これはどういう意味かというと、抗うつ薬の効果で治るのは「5~8人に1人」論部によっては「8~10人に1人」という意味です。

つまり10人中9人には効いていないということです。

「健康な状態で抗うつ剤を飲むともっと元気になるんじゃないの?」と考えていた方には残念な結果ですが、抗うつ剤はやる気を出させたり元気にしてくれる特効薬ではないということですね。

もしかしたら覚せい剤のようなものと勘違いしていらっしゃる方もいるかもしれませんが、決してそのような薬ではありません。

このように、健康な人にはなんのメリットもない抗うつ剤ですが、逆に身体に害を及ぼすデメリットはたくさんあります。

次は健康な人が抗うつ剤を飲んだ場合の危険性をご説明させていただきます。

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健康な人が抗うつ剤を飲んだ場合の危険性

どんな薬にも作用と副作用があります。

現在ではベネフィットとリスクという言い方が一般的です。

お薬のベネフィット

くすりを使うことで、目的とする症状が改善する、病気が治るといった作用が、くすりの効きめなど

お薬のリスク

副作用、飲み合わせの悪さ、依存性など

では健康な人が抗うつ剤を飲んだ場合どんな危険性があるでしょうか?

薬物依存になる?

まず依存症を心配する方がいるかもしれませんが、その可能性はほぼありません。

健康な状態で抗うつ剤を飲んで、気分が良くなったりやる気に満ち溢れたりするわけではないので効果を実感できません。

効果を実感できない薬は依存性がないのです。

仮にうつ状態の人で抗うつ剤の効果をかなり実感している場合は依存性が強くなります。

副作用の危険がある

健康な人が抗うつ剤を飲んで危険なのは副作用です。

1回や2回飲んでも大丈夫ですが、飲み続けた場合は重い副作用が出る可能性があります。

抗うつ剤は脳の神経伝達系に作用する薬なので、

・口が渇く

・便秘・排尿障害

・眠気

・胃腸障害

・頭痛

などの副作用があります。

ただし「1回や2回飲んでも大丈夫」と言いましたが、少量でもすぐに出る可能性があるセロトニン症候群(Serotonin Syndrome)という副作用もあります。

セロトニン症候群は身体のセロトニン濃度が急激に上昇する事で生じる副作用で、薬の服用を始めたばかりの時に最も生じやすい傾向があります。

セロトニン症候群で生じる代表的な症状には、

・精神症状(イライラ、不安、意識障害など)

・自律神経症状(発熱、発汗、心拍数増加、呼吸促拍、腹痛など)

・神経症状(振戦、筋硬直など)

などがあります。

これらのすべてが必ず認められるわけではなく、一部しか症状が出ない事もあります。

基本的には重篤化せず、時間と共に自然と落ち着いています。

ですが一部のケースではイライラやソワソワ、興奮、不安などから自傷行為や自殺行動に至ってしまう事もあるので注意が必要です。

抗うつ剤のせいで「うつ病」になる可能性もある!

抗うつ剤は脳内の物質や神経伝達系に作用するお薬です。

そのため抗うつ薬を長期間飲んでから抗うつ薬をやめると、脳が過剰修正をしてしまい、その結果再び「うつ状態」が誘発されるという研究結果が明らかになっています。

簡単に言えば脳の中に抗うつ薬の成分がある状態で「プラスマイナス0」になっていて、薬を止めれば「マイナス」になってしまうということです。

軽い気持ちで抗うつ剤を飲んでしまったばっかりに、うつ病になってしまったら嫌ですよね?

遊び半分で飲むようなことは絶対にしてはいけません。

なんとなく「うつっぽい」だけで抗うつ剤を飲むのは危険です

抗うつ剤を手で持っているところ

現在では精神科の病院も「メンタルクリニック」「スリープクリニック」などの名前に変わり、昔よりは気軽に受診できるようになってきました。

なんとなく「うつっぽいな~」という症状で診てもらう方もいらっしゃると思います。

良心的な病院なら患者さんの話をよく聞いてくれると思います。

が、

残念ながら多くのメンタル系の病院では、たいして症状を把握しないまま薬だけ出しておしまいです。

今回説明したように、抗うつ剤は軽いうつ状態の人や健康な人が気軽に飲んでいい薬ではありません。

「あの時医者に勧められるがままに抗うつ剤を飲んでしまったのが間違いだった」と後悔している方がたくさんいます。

症状の重い方には有効な場合もありますが、薬に頼って病気が良くなるという科学的根拠はないですし、ケースによっては病状を悪化させてしまいます。

もし抗うつ剤が処方される時には説明をよく聞いて、納得した上で服用してください。

最後までありがとうございました。

うつ病についてはこちらの記事もご覧ください。

参考:うつ病は薬では治りません。完治させるには脳の機能回復と自分を変えることが大切

参考:うつ病の薬をやめたら治ったというのはよくある話。その薬本当に必要?

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