犬を噛んだマダニを取ってしまったけど大丈夫?マダニが引き起こす症状や対処法

今回のテーマはマダニです。

ダニと聞いただけでゾッとしますが、マダニは重い感染症を引き起こす可能性のあるダニです。

中でも「重症熱性血小板減少症候群:SFTS」を発症すると最悪の場合、命を落とすこともあります。

そんな危険なマダニですが都市部でも感染が確認されるなど、案外身近な場所にひそんでいるんです。

自分や愛犬の身を守るためにしっかり対策をして、万が一マダニに咬まれた時も落ち着いて対処ができるようにしましょう。

TVでは「マダニは自分で取ってはいけない!」といわれています。

そのため愛犬についたマダニを取ってしまってしまい、心配している方もいらっしゃると思います。

ですがマダニ類全般の幼若虫とチマダニ属成虫の口器は短いため、一般の方が自分で除去しても問題ありません。

詳しくは「もしもマダニに咬まれたらどうすればいいの?」の項目をご覧ください。

マダニは普通のダニとは違う

ダニと聞いてまず思い浮かべるのは、カーペットや布団の中にいるヒョウダニ(チリダニ)ではないでしょうか?

ヒョウダニは人を刺すことはありませんが、ヒョウダニやその死骸がアレルギーの原因になります。

他にも小麦粉や鰹節、チーズなどの食品に発生するコナダニ、チリダニやコナダニを餌にするツメダニなどがいます。(ツメダニは人や犬を刺します。)

マダニは屋外にいる

ヒョウダニ・コナダニ・チリダニは家の中にいて、大きさが0.3~0.4㎜くらいです。

それに対してマダニは屋外にいます。大きさは3㎜くらいで、血を吸うと1㎝以上にもなるので肉眼で発見できます。

マダニは山道、公園、河川敷、農道、家の庭などの草むらがある場所ならどこでもいる可能性があります。

草むらや落ち葉にひそんで人や動物が近づいた時に静かに付着するので気付きにくいです。

人や動物の体にくっつくと皮膚を切り裂き、歯を刺し入れて吸血し、1~2週間にわたって寄生します。

その時に、様々な感染症を媒介する可能性があるのです。

ココたん
マダニの場合は「刺す」というより「咬む」と表現するのが正しいです。

マダニに咬まれたらどんな害がある?

マダニが人間に引き起こす病気

マダニの寄生で感染する病気には日本紅斑熱、Q熱、ライム病、回帰熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などがあります。

⇒それぞれの病気の説明は一番最後に載せてあります。

中でも重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、近年に確認された新しいウイルスで、1~2週間の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐、下痢などの症状が現れ、重症化すると死に至ることもあります。

日本でSFTSの感染に関係しているフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニ↙

 フタトゲチマダニ

 タカサゴキララマダニ

画像出典:厚生労働省

マダニが犬に引き起こす病気

大量に血を吸われると貧血になったり、マダニの唾液で痒みやアレルギーを引き起こすこともありますが、やはり怖いのは感染症です。

~犬に起きる感染症~

[バベシア症]

貧血、発熱、黄疸、元気消失など。症状が重い場合は急死することもある。

[ライム病]

発熱や食欲不振、全身性痙攣、関節炎など。

[Q熱]

軽い発熱が出る程度だが、妊娠している場合は流産の原因になる。

[エールリヒア症(リケッチア)]

急性の場合は発熱、鼻汁、流涙、食欲不振、元気消失、貧血など。

犬は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)にならないの?

SFTSウイルスに感染し、発症した犬、猫が報告されました。

一般的に動物がSFTSウイルスに感染しても、多くの場合は症状が現れない(不顕性感染)と考えられています。

※ただし元気消失,食欲低下、発熱、溶血、軟便、血便等の症状が現れた犬、猫も報告されています。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は犬から人に感染する?

健康な犬から人へSFTSウイルスが感染することはないと考えられています。

ただし2017年には徳島県で世界で初めて犬から人への感染事例が確認されました。

・飼い犬が体調を崩し、下痢などが続いたため動物病院を受診。

・飼い主の男性が発熱や下痢などをするようになり、医療機関を受診。

・その後犬がSFTSだったと診断された。

・男性は飼い犬にかまれていないが、体調を崩した犬の看病でウイルスに汚染された唾液などに触れ、感染した可能性があるという。

※犬も飼い主の男性もその後回復しています。

ココたん
マダニの寄生で体調を崩したワンちゃんの看病では注意が必要ということです。

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もしもマダニに咬まれたらどうすればいいの?

マダニが自分の体や愛犬にくっついているのを発見したら「絶対取っちゃダメ、すぐに病院へ」というのが定説になっているようですが、早い段階ならピンセットなどですぐに取り除いた方が良いという記述もいくつかありました。

※個人的には病院で取ってもらったほうが良いと思います。

マダニに咬まれたらできるだけ早く取り除く

鵬図商事株式会社(ほうとしょうじ)という害虫駆除関係の商品を取り扱っている会社のHPでは、

「マダニ類に食いつかれてしまった時、もっとも大切なことは、できるだけ早く除去することです。」

「SFTSや日本紅斑熱などの危険な感染症のことを考えたら、少しでも早くマダニ類を除去した方が感染リスクを減らすことができて賢明です。」

と書いてありました。

【マダニに刺されてしまったら https://www.hohto.co.jp/pmpnews/pmp370_2/

マダニを自分で取っても良い?

鵬図商事株式会社のHPではマダニを自分で取る場合のコツも載っていました。

「マダニの幼若虫とチマダニ属成虫の口器は短いため、一般の方が自分で除去することは難しくありません。」

「ピンセットなどを使って、食いついたマダニ個体の根本部分を挟み、左右に何度か回転させたり、虫体を裏返したり元に戻したりを繰り返し、皮膚の中に挿入された口の部分がちぎれないように慎重に引き抜くことです。」

時間が経つと取るのが難しいので病院へ

咬みつかれてから時間が経ってしまうと唾液線から分泌されるセメントのような物質により、マダニの口が皮膚と強力に固まってしまいます。

そうなると自分で取ることは難しいので病院で外科的(切開など)に取ってもらうしかないとのことでした。

マダニはやっぱり病院で取ってもらいましょう💦

外出先で発見したならピンセットは持っていないと思いますし、家に帰る手間を考えたら病院に行ったほうが良い気がします。

咬まれてから時間が経っていたり、自分で取ろうとして失敗し、マダニの口が皮膚の中に残ったら結局病院に行かなければなりません。

マダニの感染症は1週間から2週間くらいで症状が出るので、スムーズに診察してもらうためにもはじめから病院に行っておいたほうがいいですよね。

愛犬にマダニがくっついているのを発見した場合もすぐに動物病院に行って処置やお薬の手配をしてもらいましょう。

マダニを寄せ付けない予防策は?

草むらに入る時やアウトドアで長時間過ごす時には肌を露出しない服装をして、「ディート」という成分が入った防虫スプレーで対策をします。

草むらから出た後はマダニがくっついていないか調べましょう。

※現在ディート30%が最高濃度です。

※ディートは幼児(効果が強いものは12歳未満)には使えません。

※通常の虫よけスプレーはマダニには効果がありません。

犬の散歩では草むらに入らないのが一番ですが、ワンちゃんは草むらで遊ぶのが大好きですよね。

犬用の虫よけスプレーをかけてもマダニに効果はありませんので、定期的な予防薬を忘れないようにしましょう。

通常ならフィラリア予防と一緒にノミ・マダニの予防もしているはずですが、もしフィラリア予防しかやっていない場合は動物病院でお薬をもらってきましょう。

予防薬を飲んでいるとマダニに咬まれてから24時間~48時間くらいで効果を発揮するので感染する確立がグッと減ります。

ココたん
もしもワンちゃんが草むらで遊んだ場合は、マダニがくっついていないかブラッシングしながらチェックしてあげましょう。

まとめ

神経質になりすぎる必要はないかもしれませんが、アウトドアを楽しむ機会が多い方は予防対策をしっかりしたほうがいいです。

犬も野原を駆け回るのが大好きです。

「草むらには近付けません!」というのはちょっと可哀そうなので、対策をしながら楽しむことが大切だと思います。

人間は自分で確認できますが、ワンちゃんは痒みがなければマダニに気付きませんので飼い主さんがチェックしてあげましょう。

それから定期的な予防薬を忘れずに👐

⇒ノミ・マダニも駆除できるネクスガードスペクトラのレビュー

こちらもあわせてご覧ください

⇒命の危険もあるフィラリアは予防対策が一番重要!症状は?治る病気なの?

~マダニが人間に引き起こす感染症~

〈日本紅斑熱〉

感染したときの症状は、かゆみのない発疹や発熱など。初期症状で病院に行けば大事には至らないが、放っておくと最終的には高熱が出て重症化することも。

早めの受診が大切です。

〈Q熱〉

感染者の50%はほぼ無症状に留まり、残りの50%で急性のQ熱を発病。

急性のQ熱は2~4週間の潜伏期の後、高熱(37℃-40℃)やインフルエンザのような症状が出現。急性のQ熱の死亡率は1~2%。

慢性のQ熱は、6か月以上にわたる感染がみられるもので、急性のQ熱に比べて症状が重く、慢性肝炎、骨髄炎、心内膜炎をおこすことが多く予後は不良。ただし慢性のQ熱になりやすいのは、心臓弁膜症のある人、臓器移植を受けている人、癌や慢性腎臓病に罹っている人などである。

〈ライム病〉

マダニに刺されてから10日~14日後に、刺された部位の赤い斑点あるいは丘疹(ブツブツ)で始まり、周辺に紅斑が拡大します(遊走性紅斑)。

疲れ易さ、発熱、筋肉痛、頚部痛などの症状を伴ったり、関節痛、リンパ節腫脹もみられることがあり、約4週間続きます。

放置すると紅斑が色んな所に出てきたり、多発性にみられたり、不整脈や顔面神経麻痺、神経根炎、髄膜炎など神経の症状もきたします。

さらに放置すると数カ月から数年にわたり、慢性の皮膚症状、慢性の髄膜炎、視神経委縮、大関節の腫脹と疼痛を伴った慢性関節炎がみられます。

〈回帰熱〉

感染による発熱期と、感染は持続しているものの熱が出ない無熱期を数回繰り返すのが特徴です。(発熱が回帰する。)

感染後5 〜10 日を経て頭痛、筋肉痛、関節痛、羞明、咳などをともなう発熱、悪寒がみられます。

致死率は、治療を行わない場合、病原体の種類や健康状態等によっても違いますが、数〜30%といわれていています。

〈重症熱性血小板減少症候群(SFTS)〉

2011年に中国において新しい感染症として流行していることが報告された病気です。

主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状で重症化し、死亡することもあります。

2013年1月、SFTSの患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されて以降、毎年60名前後の患者が報告されています。

日本では、2014-16年の感染症発生動向調査では、届出時点の情報で178名の報告のうち35名が死亡しています。


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