今回お伝えするのは「犬にバニラアイスを食べさせても大丈夫?アイスの効能と与える時の注意点」です。
愛犬に自分のアイスをおすそ分けする飼い主さんもいらっしゃると思います。
でも殆どの方は、
「アイスは太るでしょ」
「食べ過ぎたらお腹こわしちゃう」
「ただの嗜好品、必要なし!」
と考えているのではないでしょうか?
確かにアイスには砂糖がたくさん入っています。
脂肪分もあります。
乳製品なのでお腹がゆるくなるワンちゃんもいます。(乳糖不耐症)
でもそれ以外にアイスをあげちゃいけない理由とは何でしょうか?
中には、犬に糖分は必要ないという人もいるかもしれません。
ネットで検索しても、殆どのサイトで糖分はいらないと書いてあります。
あるサイトには、”たんぱく質、炭水化物、脂肪、ミネラルなどが主で、ほかの栄養素が糖分に変わり代用されるため、特に糖分そのものを必要としていないそうです”と書いてありました。
しかし本当に糖分は必要ないのでしょうか??
人間や犬の脳が働くにはエネルギーが必要です。
そのエネルギーとして使われているのが糖です。
確かに肉食の犬は糖分を制限しても、タンパク質を十分に摂っていれば体内で糖質を作り出すことができます。(糖新生といいます)
また、体内の糖が限りなくゼロになったとしても、タンパク質と脂質からケトン体が作られ、脳のエネルギーになります。
少し話がそれてしまいましたが…
犬や猫は人間よりも糖新生の能力が高いと言われています。
それならば、やっぱり糖質は必要ないのでは?
と思われるかもしれませんが、ドッグフードにも糖質が入っています。
現代のドッグフードは栄養バランスがしっかり研究されたものです。
私たちが気付かないだけで、あなたの愛犬もちゃんと糖分を補給しています。
糖分は多すぎてはいけませんが、犬の身体に必要な栄養素です!
でもアイスクリームの栄養は糖分だけではありません。
他にもたんぱく質、ビタミン、カルシウム、鉄分など、体調不良の時の栄養補給や犬の成長に役立つことがたくさんあります。
どんなものでも毎日たくさん食べさせたら体に良くないのは当たり前ですが、アイスクリームは量を守って適切に使えば、非常にすぐれた栄養補給食品になります。
今回はアイスクリームの栄養や効能と与える時の注意点をまとめました。
「とにかく人間の食べ物は犬にあげちゃダメ!」と信じている方はここでページを閉じてください(笑)
本来アイスクリームは人間の嗜好品です。
●すぐに見たい項目があれば下の目次から選んでください。
犬にアイスクリームを与えても大丈夫?
もちろん毎日のようにたくさんあげるのはダメですが、
少量のバニラアイスを犬に与えても問題はありません。
ただしチョコレートアイスやミントアイスなどは中毒の危険があるので食べさせないでください。
乳製品で下痢をしやすいワンちゃんも注意しましょう。
アイスの分類
アイスは主に3種類に分類されています。
乳固形分 | 乳脂肪分 | |
アイスクリーム | 15%以上 | 8.0%以上 |
アイスミルク | 10%以上 | 3.0%以上 |
ラクトアイス | 3.0%以上 | ― |
乳固形分3%以上がラクトアイス、10%以上(乳脂肪分は3%以上)がアイスミルク、15%以上(乳脂肪分は8%以上)をアイスクリームと呼びます。
乳固形分から乳脂肪分を除いたものを無脂乳固形分といいます。
無脂乳固形分とはたんぱく質、炭水化物、ミネラル、ビタミン類のことです。
ということで、アイスクリームに分類されるものが一番栄養価に優れています。
アイスミルクだと牛乳とほぼ同じくらいの栄養になります。
ソフトクリームとアイスクリームの違いは?
アイスクリームとソフトクリームの大きな違いは温度です。
アイスクリームは製造後、やわらかいクリーム状のまま容器に詰め、‐30℃以下で急速冷凍され、販売時には-18℃以下で売られています。
一方、ソフトクリームの製品温度は-5~-7℃です。
確かにソフトクリームはすぐに溶けて、のんびりしていると手がベタベタになっちゃいます。
ソフトクリームは氷結晶が少なくて、氷の結晶が小さいため「なめらかで口あたりの良さ」「出来立てのフレッシュ感」が大きな特徴になっています。
乳固形分と乳脂肪分の基準は特に決まっていないので、栄養についてはそれぞれの商品で異なります。
アイスを犬に与える時の注意点は?
アイスの乳成分に含まれる乳糖によってお腹がゆるくなるワンちゃんがいます。
これは牛乳で下痢をするのと同じ現象です。
アイスをはじめて食べさせる時はごく少量で様子をみてください。
また犬がチョコレートやミント、キシリトール、抹茶を食べると中毒になって命を落とすことがあります。
他にも食べないほうが良い果物がありますので、与えるならバニラアイスだけにしましょう。
アイスを食べても太らないという噂は本当??
巷では「冷たいアイスを食べると、体の熱を戻すためにエネルギーを消費する」という噂がありますが科学的に根拠はありません。
当たり前ですがアイスは栄養が豊富なので食べ過ぎれば太ります。
ですので、愛犬についつい与えすぎればどんどん太っていくので気をつけましょう。
人間の体重と犬の体重は全然違いますので、最後の一口か半口くらいをあげれば十分ですよね!
アイスの栄養と効能
アイスクリームに含まれているたんぱく質や乳脂肪は消化しやすく吸収にも優れています。
他にもビタミンA、ビタミンB2、カルシウム、鉄分などの栄養があり、体力が落ちている犬の栄養補給や水分補給に役立ちます。
食欲がなく、どうしても食べてくれないワンちゃんでもアイスなら食べれることもあるので、量を与えすぎなければ良い栄養食になります。
また、てんかんの発作を和らげたり、発作時に脳のダメージを抑えるために普段からアイスクリームなどで糖分を補っておくことを勧めるお医者さんもいます。
※腎臓病などの内臓疾患がある犬については主治医と相談してください。
アイスクリームの豆知識
アイスには賞味期限がない
アイスはマイナス18度以下、かつ一定の温度で管理していれば雑菌が増えないという理由で、基本的に賞味期限が設定されていません。
ちなみに家庭にある冷凍庫の温度が、大体マイナス18度くらいです。
ただし実際には冷凍庫を開け閉めすることで温度が変化し、アイスの品質が変わるのでなるべくはやく食べたほうが美味しいです。
「半分食べて、半分はまた今度」というのも品質が落ちる(ヒートショック)のであまりおすすめできません。
日本ではじめてアイスクリームを食べたのは誰?
古代のアイスクリームは今のシャーベットのようなもので、お菓子としてではなく疲れた体を元気にする「健康食品」として利用されていました。
その後王侯貴族や裕福な人たちに嗜好品として愛されるようになっていきます。
日本で最初にアイスクリームを食べたのは、横浜開港の翌年、万延元年に日米修好通商条約批准(ひじゅん)のため渡米した徳川幕府一行といわれています。
その時の模様が「柳川日記」に次のように書かれています。
「珍しき者あり。氷をいろいろに染め、ものの形を作り、是(これ)を出す。味は至って甘く、口中に入るるに忽(たちま)ち溶けて、まことに美味なり。之(これ)をアイスクリンといふ。」
日本でアイスクリームが作られたのは明治2年(1869年)です。
町田房蔵が横浜馬車道通りで氷と塩とを使用して、日本で最初のアイスクリーム「あいすくりん」の製造販売を始めました。
お店があった横浜馬車道通りには、アイスクリーム発祥の地として「太陽の母子像」という銅像が立っています。
一説には、出島松造と言う人がこの房蔵にアイスクリームの製法を伝えたとも言われています。
そしてそのアイスクリンのお値段は、今のお金の価値で8000円でした。
当時の大工さんの日当が8000円くらいだったので、庶民には手が届かない食べ物だったんですね。
「犬にバニラアイスは大丈夫?」のまとめ
- 毎日与える、たくさん与えるというのは問題アリ
- 使い方によっては優れた栄養食品になる
- 乳製品でお腹をこわす犬は注意が必要
- チョコレートやキシリトール、抹茶などのアイスは食べさせないようにする
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